2024年問題とは?物流業界に与える影響と解決策

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物流倉庫

2024/04/29

2024年問題とは?物流業界に与える影響と解決策

労働関連法の改正に伴い、2024年4月から時間外労働時間の上限規制や割増賃金の引き上げが適用となる物流・運送業界では、2024年問題が懸念されています。

「具体的に働き方のルールがどのように変わるのか?」
「物流業界にどのような問題が発生するのか?」
「2024年問題を解決するにはどうすればいいか?」

このように思っている方に向けて本記事では、労働関連法の具体的な改正内容や、物流業界に与える影響、2024年問題を解決するために必要なことなどを解説します。今まさに2024年問題に直面している物流業界の方はぜひ参考にしてください。

2024年問題とは

2024年問題とは、働き方改革の一環として行われる労働関連法の改正によって、物流業界などで発生する人手不足問題の総称です。たとえば年間時間外労働時間の上限が960時間に制限されるため、一人当たりの労働時間が減り、結果的に人手不足になることが懸念されています。労働者の健康と安全を保護するための改正ですが、企業の経営環境やサービス品質に影響を与える可能性がある問題だと言えます。

2024年問題の引き金となる労働関連法の変更点

では具体的にどのような改正があり、働き方のルールに変更が加わるのでしょうか。
主に以下の3つの変更点が、物流業界における2024年問題のポイントとなります。

  • 時間外労働時間の上限が年間960時間に規制される
  • 労働時間が月60時間を超えた場合の割増賃金が引き上げられる
  • 勤務間に最低9時間以上のインターバルを設けなければならない

上記について順番に解説します。

時間外労働時間の上限規制

今回の法改正の最大の変更点として、時間外労働時間の上限規制が挙げられます。
上限時間の設定は業界によって異なりますが、物流業界の場合は下記のように変更となります。

<月の時間外労働の上限>

  • 原則、月に45時間・年に360時間まで
  • 臨時的特別な事情がある場合のみ年に960時間まで

参照:トラック運転者の改善基準告示|厚生労働省

この規制により、ドライバーの過重労働や労働時間の不当な延長といった労働問題の解消が期待できます。しかし一方で、物流業界の労働力不足や業務運営への影響も懸念されます。
労働者の働き方の多様化や柔軟性を確保しつつ、業務効率と労働力確保の両立を図る必要がある難しさが2024年問題なのです。

労働時間が月60時間を超えた場合の割増賃金

新たな労働関連法では、労働時間が月60時間を超えた場合の割増賃金が引き上げられました。

改正前は、中小企業は25%以上、大企業は50%以上の割増料金と定められていましたが、改正後は中小企業でも50%以上の割増料金の支払い義務が発生します。

この改正によって、長時間労働に対する賃金の保障が強化される一方で、企業側は人件費の増加に直面することになります。特に物流業界は長時間労働となりやすい現状があるため、割増料金による人件費の増加は喫緊の課題となるでしょう。

勤務間のインターバルを導入

改正前は1日の休息期間は継続8時間と定められていましたが、改正後は継続11時間を基本とし、最低でも9時間は継続して休息を取るように規制されます。

つまり、前日の退勤時刻と翌日の出勤時刻までの間に、原則11時間のインターバルを置かなければならなくなったのです。

この改正はドライバーの健康と安全を保護するための措置であり、長時間運転を行うドライバーの疲労軽減や安全運転の促進を目的としています。しかし、時間外労働時間の上限規制と同様、労働力の確保の難しさが企業側の課題です。効果的なスケジュール管理や人材配置が、物流業界の効率的な運営とドライバーの心身の健康を両立させる鍵となるでしょう。

2024年問題が物流業界に与える影響

前述の法改正はドライバーの労働環境を改善するためのものですが、物流業界にさまざまな影響を及ぼすものでもあります。ここからは、2024年問題が物流業界に与える影響について、配送業者・荷主・一般消費者の3つの視点から解説します。

配送業者に与える影響

2024年問題は、物流業界の配送業者に多岐にわたる影響を与えます。まず、労働時間の制限が厳しくなることで、ドライバーの労働時間管理が難しくなるでしょう。

長距離輸送や急な配送要求に対応するためには適切なスケジュール管理が不可欠ですが、時間外労働時間の上限規制などによって、配送要求に応えることが難しくなる恐れがあります。

また、割増賃金の引き上げにより人件費が増加し、経営の負担が大きくなる可能性もあります。特に従業員の多い大規模な配送業者にとって深刻な課題になると予測されます。

荷主に与える影響

荷主も2024年問題の影響は避けられません。先述の通り、労働法改正が配送業者の人員配置やスケジュール管理に影響を及ぼすため、配送時間やサービス品質に変化が生じる可能性があるからです。

配送業者が労働条件を改善するために、無理のない運行スケジュールになるようドライバーの労働時間を調整する場合、荷主の商品の配達時間や在庫管理に影響を及ぼすことが予想されます。

長時間労働の割増賃金の引き上げに伴う配送コストの増加やサービスの変更に備えて、事前に戦略を見直す必要も出てくるでしょう。供給チェーン全体を通じての効率性や効果的なリスク管理が、荷主にとって重要な課題と言えます。

一般消費者に与える影響

一般消費者にも、2024年問題は様々な影響を及ぼすでしょう。配送業者の労働条件や労働時間制限の変更が、商品の配達スピードや安全性に影響を与える可能性があるからです。

長時間労働を行うドライバーの健康や安全に対する配慮が強化されることで、配達時間の遅延やサービスの変更が生じる可能性もあり、一般消費者はこれらの変化に適応することが求められるでしょう。

物流業界の2024年問題を解決するために

2024年問題は配送業者だけの問題だけでなく、社会全体に影響を与える問題であることが分かりました。2024年問題を解決するためには、業界全体で企業努力が求められます。

ここからは、物流業界に求められる解決策として主なものをご紹介します。

ドライバーの労働環境の整備・人材確保

今後の物流業界には、ドライバーの労働環境の整備や適切な人材確保が不可欠です。休憩施設の整備や労働条件の改善、適正な給与体系の導入などが求められます。

また、ドライバーの安全運転や健康管理のための教育・研修プログラムの充実も重要です。

新たな労働法の影響を考慮した業務スケジュールの見直しや効果的な人材管理が、企業の競争力強化につながるでしょう。

一般消費者や荷主の理解を得る

物流業界は社内の改革だけでなく、一般消費者や荷主とのコミュニケーションを強化し、労働法改正に伴う変化や影響を十分に理解してもらう必要も出てきます。そのためには、透明性や情報提供が重要です。

労働者の権利と社会的責任を尊重する企業の取り組みが、消費者や荷主からの支持を得るための重要な要素となります。一般消費者や荷主との信頼関係を築くことができれば、問題の解決やスムーズな業務運営が図れるでしょう。

DX化による業務効率化

デジタルトランスフォーメーション(DX)の活用による、物流業界の業務効率化も大切です。自動化技術やIoTデバイスの導入、データ分析の活用などにより、業務プロセスの改善や配送ルートの最適化を図ることができます。

DX化によって業務効率が改善されれば、労働力不足の解消や効率的なサービス提供が実現し、物流業界の競争力強化が期待できます。

しかしDX化には費用や技術面といった課題もあります。物量業界全体のDX化を推進するためには、中小企業や新規参入者に対する支援や教育が求められるでしょう。

まとめ

2024年問題は、物流業界に大きな変革をもたらす可能性があります。ドライバーの労働環境の改善が期待できる一方で、人材不足といった問題をいかに解消するかが課題です。

この問題に対処するためには、労働環境の整備による人材確保、一般消費者や荷主の理解を得ること、DX化による業務効率化などの対策を講じる必要があるでしょう。今後の物流業界には、将来の展望を見据えながら、変化に適応し、成長と発展を続けるための戦略が求められます。

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